全国エリアマネジメントネットワーク 第10期通常総会を開催しました

2025年9月4日、全国エリアマネジメントネットワークの第9期の活動の振り返りと、第10期の活動方針を発表する総会を開催しました。今回は開業まもない「グラングリーン大阪」内のホールを会場に、多くの会員の皆さまにご参加いただきました。ここでは、当日報告された主な内容をレポートします。
冒頭、全国エリアマネジメントネットワーク会長・出口敦氏より、次のような挨拶がありました。
「全国エリアマネジメントネットワークは、今年で発足から10年目を迎えます。これまで、エリアマネジメントの実践と理念の広がりを見せてきましたが、その歩みを振り返ると、総会を通じて深めてきた交流や学びこそが原動力だったと思います。10年という節目は、区切りではなく新たな出発点です。これからの10年を見据え、皆さんと力強い一歩を踏み出していきたいと思います」

出口 敦 会長
第9期事業報告
続いて、第9期の主な活動と現状について報告しました。期のスタートにあたっては、2カ年を通じての活動方針を以下の通り定めました。
1. これまでのエリアマネジメントの振り返りとこれからのエリアマネジメントのコンセプトの検討
2. エリアマネジメントに関する職能の確立と人材育成
3. エリアマネジメントに関する各種文献資料・事例のデータベース化及びテキストの作成
4. エリアマネジメントに関する法制度の検証と提案
5. 全国エリアマネジメントネットワークの組織強化・会員拡大・情報発信の充実
6. エリアマネジメントの国際間連携の推進
7. エリアマネジメントの DX 及びスマートシティの推進
この方針に基づき、幹事会では活動テーマごとのワーキンググループを組織し、各幹事メンバーが主体的に事業の企画・運営を行いました。これにより多彩な事業が展開され、多くの会員の皆さまが全国エリマネの事業に参加いただくことに繋がりました。
個別の事業活動の詳細は以下の通りです。
●活動の総括
(1)エリアマネジメント活動の新たな展開の議論
第5回目となった「エリアマネジメント研究交流会」には約120名が参加し、エリアマネジメントの研究や調査報告の場として確立されつつあります。発表件数は前年同様15件でしたが、内容の質は向上しています。
また、これまで国土交通省と実施してきた「官⺠連携まちづくり DAYS」を発展させ、新たに「エリアマネジメント政策対話」を立ち上げました。第9期では2回開催し、都市再生法を中心とした政策制度の課題や方向性を議論。この活動を通した議論が国土交通省の懇談会にも活かされたことは、大きな成果となりました。
(2)幹事会ワーキングを通した事業の発展
第9期における幹事会ワーキングの取り組みとして、エリアマネジメントの年表作成や職能の確立、これまでの全国エリマネ内での情報蓄積の整理や教材・テキスト作成等の準備を行うなど、第10期に向けた議論を深めていきました。
(3)人材育成プログラムのアップデート
これまで実施してきた「プレイスメイキング講座」と「エリマネマインド養成講座」を統合し、より包括的な学びの場へとアップデートしました。さらに、新たに「全国エリマネ視察&研修会」を立ち上げ、第1回を⻑崎市で開催。エリアマネジメントの現場での視察と意見交換を通じて、実践者同士が学び合うプログラムを展開することができました。
第9期は、過去最多の事業を展開し、延べ約 1,000 名の方に全国エリマネの活動にご参加いただきました。会員数は正会員126名から140名へと増加し、近年では最大の伸びとなり、今後の発展に向けて大きな一歩を刻みました。
第10期事業計画
続いて、第10期の事業計画を報告しました。第10期では、第9期において定めた活動方針を引き継ぎつつ、特に次の取り組みに注力します。
●第10期の主な活動内容
(1)エリアマネジメントのコンセプト検討
第9期で行ったエリアマネジメントの振り返りをさらに深め、「エリアマネジメント 3.0」のあり方を会員と共にリサーチ・議論します。過去20年のエリアマネジメントの展開を俯瞰しつつ、社会変化に即した今後の方向性を探る機会をつくっていきます。
(2)エリアマネジメントに関する職能の確立と人材育成
エリアマネジメントの役割が未定義である現状を踏まえ、職能の明確化と人材育成を進めます。具体的には、若手実務者会議「AMU35」、エリマネ講座(エリマネマインド養成講座・エリマネ実務者研修講座)、実務者合宿、海外研修、エリアマネジメント研究交流会など、多様な学びの場を展開し、関わる人々の裾野を広げていきます。
(3)エリアマネジメントに関する各種文献資料・事例のデータベース化及びテキストの作成
各地のエリアマネジメント事例や研究を収集・体系化し、その蓄積を基にエリアマネジメントの実践ガイドとなる資料を整備します。ワーキングやアンケート調査を実施し、定量・定性的に活動実態を把握した上で資料を検討していきます。
(4)エリアマネジメントに関する法制度の検証と提案
都市再生特別措置法を中心に、エリアマネジメントを推進する各種制度や支援策について、その有効性や課題を改めて議論します。国・自治体との政策対話の場「エリアマネジメント政策対話」を設け、制度改善の提案を進めていきます。
(5)全国エリアマネジメントネットワークの組織強化・会員拡大・情報発信の充実
全国エリアマネジメントネットワークの発足から10年が経過した現在、次の10年に向け、法人化や事務局体制、会費制度などを含む次期組織体制を検討します。併せて、会員向け意見交換やシンポジウムを通じて、さらなる交流の拡大を図ります。
(6)エリアマネジメントの国際間連携の推進
カナダやアメリカで始まったBID(Business Improvement District)を起点に、海外の知見を学びつつ、日本のエリアマネジメントの発信を進めていきます。IDA(International Downtown Association)等との情報交換やアジア圏でのネットワーク形成、英語コンテンツの整備を行い、国際対話の機会も検討しています。
(7)エリアマネジメントの DX 及びスマートシティの推進
Society 5.0時代を見据え、エリアマネジメント実務へのDX導入を強化します。これまで活動してきているスマートシティ・DX研究会を第2期として継続し、会員を広く募りながら議論を深めていきます。
第9期の全国エリアマネジメントネットワークでは、研究会合同シンポジウムや人材育成プログラムの充実など、これまでの知見を実務に活かす展開が進みました。会員数は年々着実に増加しており、全国各地でのエリマネ活動のさらなる発展が期待されます。
今後も各地域での取り組みがより一層推進されるよう、全国エリアマネジメントネットワークでは、さらなる連携を築きながら次の10年に向けて新たなスタートを切ります。これからの活動にもぜひご期待ください。
☞総会資料はこちらからダウンロードできます。
第10期通常総会資料_全国エリマネ
